校長ニュース

2018年3月の記事一覧

3学期終業式の挨拶


滑川総合高校は、2週間前に3年次生全員を送り出し、今日で今年度の最後の日を迎えました。皆さんにとって、この1年間はどうだったでしょうか。

2年次生は、系列別の選択科目による授業が本格的に始まり、教室移動も頻繁になりました。また、部活動では3年次生の引退後には中心となって、伝統を受け継ぎ、新たな歴史を刻むべく取り組んできました。そして、高校生活でもっとも思い出に残る修学旅行があり、長崎で平和について考えるとともに、福岡、広島、神戸を中心に様々な文化や歴史に触れることができました。

1年次生は、他校にはない「産業社会と人間」で、働くことの意味や人としての生き方について真剣に考え、学んできました。そして、自分の将来に必要な系列と科目を選択し、自身が学ぶために必要な時間割を作成しました。1月の中学生向け学校説明会での代表者による「産社のまとめ発表」でも、その成果がしっかり表れていて素晴らしいものでした。また、高校の部活動で自分自身を鍛え、先輩や仲間と協力して活動を高めてきました。

1年次の皆さんも2年次の皆さんも、是非ここで、この1年間を一度、振り返ってください。何事も順調に進むばかりではなかったでしょう。悩んだり、行き詰まったり、失敗をしたりしたこともたくさんあったでしょうし、もしかしたらそのようなことの方が多かったかも知れません。

そのようなとき、どうしたでしょうか。きっと、家族や先生、先輩や同級生、あるいは後輩など、多くの人に相談したり、助けられてきたのではないでしょうか。それほど、生活していく上で、人と人との関係は大切なものです。

中学校と比べて、高校では様々な経験が生まれるとともに、より多くの人と関わるようになりました。特に総合学科である本校は、クラスの中に6通りの系列と16通りのモデルプランで学ぶ仲間がいます。すなわち、全員が同じことをめざしているのではなく、それぞれが文字通り異なる人生を歩もうとしています。それだけ、総合学科では多様な人との関わりを持つことができます。

さて、昨年の秋以降、部活動等での中心は皆さん1・2年次生でした。多くの部が大変に頑張ってくれました。なかでも、書道部は「書の甲子園」で、団体北関東地区優勝、また個人の部では、2年の杉内 南海 さんが、最高賞の文部科学大臣賞を受賞するとともに、優秀賞の受賞の他、全員が入賞・入選という大変素晴らしい活躍をしてくれました。春休み中に、受賞報告のため「県知事」や「県教育長」のところの表敬訪問が予定されています。また、男子バスケットボール部は、新人戦で昨年に引き続き地区優勝し、県大会でもベスト8の成績を残してくれました。今後が大変期待されます。他にも多くの部が活躍してくれました。平成30年度の皆さんの活躍が大変に楽しみなところです。

このように、本校生は、様々な面で、大変活躍をしてくれてきています。ところで、『ラッセル 幸福論 』中に 『 幸福になるための具体的な方法は、一言でいうなら、何かに熱中すること 』 という言葉があります。1・2年次生の皆さん、既に何かに熱中している人も多いかと思いますが、見つけられていない人、まだその域には到達していない人は、是非早く、真の目標を定めて、熱中してみてください。先日の冬季五輪やパラリンピックでも多くの競技者が熱中し、競技に取り組む姿が随所に見られました。そして、目標を手にし、幸せを手に入れている姿が多く見られました。パラリンピックのアルペンスキーで金メダルを含むメダル5個手に入れた、深谷市出身の村岡桃佳さんは、高校時代、シーズン中には、金曜の放課後、お父さんが学校に迎えに来て、その足でスキー場に直行し練習に明け暮れたといいます。当時からズッと熱中しているわけです。若いからこそ熱中へのエネルギーが大きく成りえます。今の自分を今の時間を最大限に大切にしてみてください。本校に目を向けても、先日の成績会議で成績優良生徒の多くは、部活動で頑張っているとの報告やクラスの下位から優良者になったとの報告が複数ありました。これは、若者が何かに熱中したときの成果だと大変嬉しく思ったものです。時を無為にやり過ごすのではなく、時を忘れて、何かに熱中する体験を是非味わってください。若いときだからこそ可能でもあるわけです。

さて、4月には皆さんは、2年次から3年次へ、1年次から2年次へと時が進み、ライフステージが移行していきます。それとともに、後輩である、新たな滑総生が入学し、皆さんには、それぞれに新たな役割が生じてきます。自分をしっかりと持ち、先輩として新たな目標を持って取り組めるよう、この春休みを有意義に使い、より充実した新学期を迎えてください。4月9日の始業式に、一回り大きく成長した皆さんに会えることを心から楽しみにしています。

                      校 長  髙栁 壽男

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